代表取締役 佐々木 阿悠佳 氏

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平成27年度の介護保険制度改正に伴い、要支援1,2の軽度者に対する一部予防サービス(訪問介護・通所介護)が、今後3年間を期限に打ち切られることになりました。これまで1割負担で利用できていたサービスが、市町村ごとに内容も負担額も異なり、介護格差が生まれるとも言われています。そんな中、佐々木阿悠佳社長は、介護保険を利用しなくても負担できる料金設定で、ひとりひとりのニーズにきめ細かに対応する少人数制トレーニングセンターを開設されました。

けいはんなで起業したきっかけ

そもそも木津川市で介護保険施設(機能訓練特化型ディサービスセンター)と子どもから高齢者までが利用できるコンディショニングセンターを開設することが目的でした。法人としては2年前にNPOを立ち上げ、子どもから高齢者、健常者、障がい者問わずに集える施設を作ることを目標にNPOの活動をしてきて、去年の4月ごろからデイサービス併設の一般向けトレーニング施設を作ろうということで走ってきました。介護保険制度改正で、要介護にならないための予防サービスから要支援の人が切り離され、サービス内容も市町村ごとに異なってきます。その中で我々がそういう人の受け皿になり、地域包括型の予防の一端を担いますということで手を挙げました。ところが、「事例がない」「フィットネスや接骨院と何が違う?」と、当初関係者の理解も得られず、土地探しや融資の問題でも苦労しました。行政の高齢者福祉事業の方向性もまだこれからということなので、それなら保険という制度は使わずに、介護予防や機能訓練(生活復帰)のためのトレーニングをしたい人たちが自分の思いで来てもらえる場所にしようと物件探しをしている中で、ようやく(株)けいはんなさんのご縁でここに行き着きました。ホテルがある素敵な空間の中で、子どもから高齢者が集ってもらえる場所として最適だと思いました。

少人数で、ひとりひとりを密にみる

一般のフィットネスクラブとの一番の違いは、少人数制で運動が困難な方でも来ていただけるというところです。フィットネスクラブでは最初だけは教えますけれども、プログラムができた後は自分でやってください、というスタンスが多いです。でもここではスタッフがその人の体の状態を見て、プログラムを考えます。スキルが高いからこそそれができると思っています。フィットネスといわれるところはたくさんありますが、ここに来られる理由はCureとfitness。医療ときちんと手を組んでいます。たとえば糖尿病や心臓病などの持病を持たれている人も、人数が少ないからこそ経過を一緒に追っていくことができる。介護保険を理解し、社会福祉協議会やケアマネージャーとの連携をはかることもできる、きちんとしたパイプがあることがうちの強みです。地域包括型システムの中での予防の一端を、うちだからこそ担えると自負しています。

家にひきこもっている人をなんとか外に出したい

2025年には3人に一人が65歳以上、75歳以上の世帯が5軒に1軒と言われています。とにかく一人で家にいる人が1日でも長く運動が続けられて笑っていられる、そのための施設をなんとか作りたいと考えてきました。また、子育て中のお母さん、特にまだ外出する機会の少ない0歳児のお母さんたちにも、お座りから立つというところまでの発育支援という形で赤ちゃんと一緒に体を動かしてもらう指導をしています。ひきこもり防止や子育ての不安解消のためにも、何よりも地域に出て行って社会に交わって、人と交流して笑顔になってもらったら嬉しいです。運動は、そのきっかけぐらいでいい。その橋渡しというかお手伝いをしたいと思っています。

本当に必要な人に必要なサービスって何なのか

今までは介護保険が使えるサービスが、自己負担が少ないから良いと思われていたことと、ほかに選択肢がないからみんなそれを利用していましたが、これからは二極化すると思います。介護する家族の必要性に迫られてサービスを利用する人と、本人のリハビリしたい、運動したい、機能訓練したい、という積極的な意思でトレーニングセンターに来られる人と。行きたいと思ってもらえるデイサービス、ああ行ってよかった、って思ってもらえる施設を増やしていきたいですね。基本的にデイサービスって、みなさん行きたくない場所なんです。たとえば脳卒中で半身麻痺になって病院でのリハビリを終えた人や、人工関節の手術をした人や、パーキンソン病など、いろんなご病気の方がリハビリ目的で行く場所は、これまでは介護保険を利用したデイサービスだったわけですが、デイサービスに行くと年寄りの仲間入り、みたいに思ってしまったり、中にはデイサービスっていう名前の車で迎えに来ないでと言われる人もおられる。重篤度に差があるのに同じ扱いを受けるため、お元気な方はご自身のQOL(=QualityofLife)を落とされることも多いですね。病気して、メンタル下がって、デイサービスに行ったあげく子どもみたいに扱われる。そんな場所には誰も行きたいはずがないですね。高齢者の方のニーズはどんどん変わっていますし、これからはフィットネスを経験されている世代が対象となってくるので、その人たちよりも知識がないと、賢くならないといけないといつもスタッフに話しています。介護保険のスタイルもきっとこれからはいろいろと変わっていくのじゃないかな、というか、変えていきたいなという思いです。

後進たちに夢見てもらえるような法人に

私が12年前に福祉の施設に入った時は、機能訓練特化型とかリハビリ特化型などの福祉現場でさえ、フィットネス指導員が働くということは本当にまれで、以前在籍した会社では運動指導員1号として最初に入らせていただきました。昨今はスポーツの専門学校にはメディカルスポーツ科が設置されていて、後輩がたくさん育ってきており、卒業生の進路は通所介護施設がほとんどという状況になってきています。ただ、多くの施設では介護保険の制度の中でしかサービス提供できませんから、ルールの中で限られたことしかできないわけですよね。だから若手のトレーナーたちはより良い指導がしたいから、自分のスキルも上げたいから、勉強させてくださいと言ってくれます。後に続く若い後輩たちに夢見てもらえるような法人になっていけたらなと思います。